値上げのチャンス到来
いろいろな商材が値上がりしているという話を聞きます。
小麦粉や食用油、牛肉など消費者に身近な商材はニュースで取り上げられますが、法人向けの原材料なども値上がりしているようです。
半導体不足、物流の停滞などコロナが供給を遠回りに制約したことが原因でもあるでしょうし、そうでない原因もあるでしょう。
飲食店のアルバイトの時給など、人件費も上がっているようです。
政府も税制で援助するなど、賃上げを企業に要請していますので、正社員の人件費も全体としては上昇していく流れでしょう。
便乗値上げを狙おう
日本の企業はコスト削減の成果を値下げの原資として使う文化がありますので、値上げには消極的でした。
30年にわたってデフレ経済が続いてきましたので、「値上げしたらお客さんが離れる」「取引先に値上げなんてとても言い出せない」と最初から諦めている人が多いと思います。
しかし今に限っては、「世の中みんな値上げ状態」です。
値上げをするチャンスは、今をおいて他にないのではないでしょうか。
コストのどこかが上がっているはずですので、それを理由に値上げの打診を行いましょう。
値上げが最も経営改善に寄与する
原価700円の商品を1000円で販売すれば粗利は300円です。1万円の粗利を稼ぐためには33.3個販売する必要があります。
ここで販売価格を20%引きの800円にすれば粗利は100円になりますので、1万円の粗利益を稼ぐためには100個も売らなければなりません。実に3倍です。
20%値引きしたからといって3倍も売れる商品がどこにあるのでしょうか。
逆に販売価格を1200円にすれば粗利は500円ですので、20個販売すれば1万円の粗利益になります。
販売数が減ると管理コストも下がりますし、1人の顧客に手厚いサービスをすることができます。
値下げによる薄利多売より、適切な値上げによって優良顧客だけに絞り込む方が、ほとんどの企業にとって有利だと思います。
今こそ、千載一遇の値上げのチャンスです。