クロージングよりアプローチ

「押方くん、こんにちは!国際課税をやってるんですね。相談があるのでZoomでいいので話しませんか?」

というメッセージが、大昔に働いていた監査法人の同僚から来ました。

Facebookのメッセンジャーから

Facebookの友達ではなく、名前を覚えてはいたものの、20年近くまったく連絡をとっていない関係性です。

税理士事務所を開いていて仕事で使う情報が欲しかったようですが、「Facebookはプライベートで使っているので、御用があれば事務所に連絡して下さい。」と、取り付く島もない返事をしました。

Facebook内で名前を検索すればメッセージを送れるみたいですが、いきなりプライベートに入り込んできて、「国際課税の相談がある」はないでしょう。

私の方が年下ですが、かといって礼儀はあるでしょう。「Zoomでいいから」って、何ですか。

人にモノを頼む時は会いに来るのが当然でしょう。

アプローチを間違えたら終わり

これがアプローチの重要性です。

営業においては「クロージングが大事」「クロージングのテクニックを学ぼう」的なことが言われますが、私はファーストコンタクト(アプローチ)の方がはるかに重要だと思っています。

つまり、最初に会うまでのルートが重要ということです。

テレアポで無理やり時間を取ってもらったのか、ダイレクトメールを送って問い合わせをもらったのか、しかるべき人からの紹介なのか、そのルートによって相手の対応は180度変わります。

最初に会った時点で勝負は大方決まっているのです。

ですので私も海外の会計事務所を初めて訪問する場合など、自分のビジネスにとって重要な人と会う時には細心の注意を払います。

先ほどの例も同じです。

私も情がない人間ではありませんので、事務所サイトからの連絡で「WEBサイト見ました。ご活躍のようですね。私は今こんな仕事をしています。良ければzoomで少しだけ近況報告をしませんか。」というアプローチであれば応じていたかもしれません。

Win-Win or No deal

有名な本に「双方共にメリットがあればGO、そうでなければ取引するな」と書かれており、私は徹底的にこれを実践しています。

人と会うということは、その人の残りの人生の一部を自分のために使ってもらうということです。

自分だけにメリットがあってもダメ、相手だけにメリットがあってもダメです。

私がビジネスにおいて人と会うのは、まず自分が相手に十分な価値を提供できる自信があり、かつ、相手からお金か役立つ情報を得られる場合に限られます。

これがプライべートであっても同様です。

「お互いに楽しい」というメリットがなければ会っても仕方がありません。

先日、高校時代の友人と25年振りに飲みに行きましたが、お互いが楽しい時間を過ごしたWin-Winシチュエーションでした。

「Win-Win or No deal」

大好きな言葉です。