広告宣伝費だけが広告宣伝費ではない

「広告宣伝費」ときくと、雑誌などのメディアへの掲載料、リスティング広告のクリック課金費用などいわゆる「広告」をするための費用というイメージがあります。
ですが私は広告というものはもっと広く捉えるべきで、見込み客や転職希望者の目に入るもの耳に入るものは全て広告だと考えています。
高額なオフィス賃料は広告宣伝費を含んでいる
例えばオフィス賃料。
コンサルティング会社や会計事務所などは一等地にある立派なオフィスに入りたがります。
目に見える製品をもたないので、「こんな立派なオフィスに入っているんだから信用できるでしょ」あるいは「このキレイなオフィスで我々と働きませんか」とアピールしている訳です。
そこには広告効果がありますので、勘定科目は「地代家賃」であってもそのうちの何割かは実質的には広告宣伝費ということができます。
これは飲食店や服屋も同じです。
地下や2階以上の部屋と1階では賃料がかなり違います。
集客効果があるから賃料が高いのであって、ここにも広告宣伝費が含まれています。
内装、名刺、封筒、制服も広告宣伝費となり得る
店舗の内装も同じです。
お客さんが店の内装に魅力を感じて高額商品が売れたり、リピートが起きるのであれば、内装の「減価償却費」は紛れもなく広告宣伝費です。
工場も同じです。
例えばハムを作っている工場が、ハムを薄く均一に切れるドイツ製か何かの高い機械を導入していて、それを取引先にアピールできるのであれば、その機械の減価償却費には広告宣伝費が含まれています。
スタッフが着ている制服も広告宣伝費です。
航空会社のCAの制服はもちろんのこと、町のパン屋であっても私服姿よりも仕立てのいいコック姿でパンを並べた方が、おいしそうにみえるというものです。
こだわった名刺や封筒に集客効果があるのであれば「事務用品費」も広告宣伝費です。
電話応対が重要な業種において、給料の安い新人ではなくコールセンター経験者に電話対応を任せるのであれば、「給料」の一部も広告宣伝費と考えることができます。
広告は先行投資
捉え方しだいでいろいろなものが実質的な広告宣伝費になりますので、経営者はどこに「広告」を投下するかを考えなければなりません。
広告は先行投資であり、攻めの経費です。
オフィスの立地にこだわるのか、高い名刺を作るのか、WEBサイトの見栄えにカネをかけるのか、など攻めの発想で戦略的に考えるものだと思います。
士業やコンサルタントであれば、少しいいスーツを着るとか、いい時計をつけるなど、見た目に投資するのも多いにアリです。
費用対効果の高い広告投資を積極的に行っていきましょう。