嫌われることは悪いことではない

ビジネスにおいて人から嫌われることは悪いことではないと思っています。
それどころか特定の層からは積極的に嫌われるべきだと思います。
自社の商品・サービスを好きになってもらってお得意様になっていただくことが素晴らしいことは言うまでもありません。
一方、自社の商品・サービスを知ってもらった上で嫌われたのであれば、これはかなりいい線までいっていると考えるべきです。
iPhoneやポカリスエットのように広く知られている商品やサービスは、ほんのひと握りです。
そもそも自社の商品・サービスを認知してもらうこと自体が非常に難しいのです。
ですので認知された上で嫌われたのであれば、ヒットとは言わないまでも進塁打とはいえる成果だと思います。
特定の層からは積極的に嫌われるべき
また、特定の層には積極的に嫌われた方がいい場合もあります。
例えば非常に急いでいる人がスターバックスでコーヒーを注文するとどうなるでしょうか。
スターバックスはコーヒーが出てくるまで時間がかかりますので、注文した人はイライラして「早くしろ!」と怒鳴るかもしれません。
そうなると、ゆっくりしようとしていた他のお客さんは迷惑に思うでしょう。
つまり、スターバックスはバタバタ急いでいる人からは嫌われる方がいいのです。
「出てくるのが遅い」というお客様の声を聞いてはいけません。
急いでいるならドトールにいってくれという話です。
誰から嫌われるかをはっきり決めておこう
これはどんなビジネスにもあてはまります。
自社の商品がいいものであっても、相手の趣味嗜好は千差万別ですので嫌いになる人は必ず出てきますし、むしろ嫌われるべき人からははっきり嫌われた方がいいのです。
また、その時は嫌われたとしても認知さえされていればチャンスはあります。
先ほどのバタバタした人も、時間がある時は、「今日はスターバックスでゆっくりしようか」と利用することもありえます。
これは「商品が出てくるのは遅いが、その分ゆっくりした時間が過ごせる」と、商品・サービスの特徴がしっかり伝わっているから起きる現象です。
こう考えると、好きと嫌いは反対の意味ではなく、「関心がある」「知っている」という点でかなり近い関係にあります。
好きの反対語は嫌いではなく、好きと嫌いは類義語で反対語は「無関心」です。