伸ばす強みはひとつでいい

「隣の芝は青い」とは良くいったもので、ライバル企業のことは良くみえるものです。

実際はそんな理想的な企業はないのですが、ついつい「A社と比べてウチはココが負けている。ココも負けている」と考えてしまいます。

そして、その負けている部分を強化すればもっと売れると考える傾向があります。

ですがおそらく、その考えではうまくいきません。

弱点を強化するのは大変な労力がかかるということもありますが、そもそも売れない理由は弱点があるからではないからです。

致命傷でなければ短所は放っておく

考えてみて欲しいのですが、さしたる弱点のない全科目平均点みたいな商品・サービスがあったとして、それは魅力的でしょうか。

買う側は「デザインがバツグンにカッコいい」、「この機能が欲しかった」、「納期がダントツに早い」など、自分が強烈に魅力を感じる点ひとつに満足すれば、多少の弱点は気にせず買うものです。

各項目を他社と比較して総合点で決定することなど滅多にありません。

「A社は使いやすさは〇、機能は△、価格は△」「B社は使いやすさは◎、機能は〇、価格は×」のような比較表を作って稟議を上げたりしますが、あれこそ形式的な手続きです。

表を作っている時点で、どこにするかは決まっています。

ひたすら強みを伸ばすのみ

ですので弱点を補うのではなく、「ウチのウリはこれ!」といえる強い点をさらに強化することが大事です。

私の場合は移転価格税制専門をウリにしていますので、移転価格税制がらみのノウハウを積み上げることだけを考えています。

他の会計事務所は財務コンサルをウリにしているから、ウチも財務コンサルに力を入れようなどとは間違っても考えません。

ひとつの強みを徹底的に伸ばして圧倒的なウリをつくる。

致命的でない限り弱点の補強は考えない。

この考え方で概ねOKだと思います。